ポリウレタン原料資料

MDIに関わるPRTR法に基づく届出に関するお願い

平成26年6月

4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートを御使用の皆様へ

日本ウレタン原料工業会

MDIに関わるPRTR法に基づく届出に関するお願い

拝啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のお引き立てを頂き厚く御礼申し上げます。

化管法PRTR制度( Pollutant Release and Transfer Register)は、「人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質について、事業所からの環境(大気、水、土壌)への排出量及び廃棄物に含まれて事業所外へ移動する量を、事業者が自ら把握し国に対して届け出るとともに、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計し、公表する制度です。平成13年4月から実施されています。」(経産省HPより)

平成20 (2008)年公布の改正化管法により、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート (以後、MDI) が第二種指定化学物質から第一種指定化学物質に変更され、排出量等の把握が平成22(2010)年度より、届出が平成23(2011)年度より始まりました。第一回の公表が平成24(2012)年の3月に、第二回の公表が平成25 (2013)年の3月に行われております。

しかしながら、弊工業会で公表値を確認いたしましたところ、MDIの蒸気圧等の特性から推測して、予想を超える高い排出量が一部のご使用者様の報告に散見されました。

このような状況を踏まえ、弊工業会では適正な排出量計算の手助けとなるよう、"Isocyanate Emission Tool Box"の邦訳を、日本ウレタン工業協会のホームページに掲載させていただきました。

http://www.urethane-jp.org/manual/2013/05/prtrisocyanete_emission_tool_b.html

また、計算の根拠をよりわかりやすくするために、本書面にて計算例を提示させていただきますので、今後の計算にご活用いただければ幸甚です。

なお、MDIの排出の把握につきましてご不明、ご質問等がございましたら弊工業会にご相談いただければと思っております。

敬具

【計算例】

大気へ排出されるMDIの量は、以下のようにして計算することができます。

MDI排出量=プラントより排出されるガス量×排出ガス中のMDI濃度×運転時間

      =7,000 m3/hr×0.08 mg/m3×7,920 hr=4.4 kg/年

プラントより排出されるガス量

例としてIsocyanate Emission Tool Boxの表7の連続ボードプロセスの結果から計算した。

【排ガス量の計算】

  76g÷1.5μg/m3 ÷24hr÷330≒7,000m3/hr

排出ガス中のMDI濃度

実際の濃度を測定することは難しいので、JURAのSDSの蒸気圧の値6.7×10-4Pa (25℃)を使用し計算した。この数値は最も蒸気圧の高いモノメリックMDIの値なので、ポリメリックMDIの場合はこの数値よりも小さくなる。

【MDI濃度の計算】

  6.7×10-3 mol×250 g×1000 L/22.4 L=0.08mg/m3

運転時間

最大値として、24hr稼働で330日間運転したと仮定した。

【運転時間の計算】

  24 hr×330=7,920hr

    

実際の運転では排ガス中のMDIは飽和蒸気圧とはならないので、実際の排出量は上記の結果よりも小さい値になる。実測の濃度から計算されたIsocyanate Emission Tool Boxの表7の連続ボードプロセスの結果は76g/年である。

他のプロセスに関しては、Isocyanate Emission Tool Boxを参考にしてください。

MDIに関わるPRTR法に基づく届出に関するお願い

資料

ページのトップ