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軟質ウレタンフォームの燃焼性と防火・消火について −引火・ 発火防止と消火法、注意事項など− |
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軟質ウレタンフォームは燃えやすいものですか? | ||
軟質ウレタンフォームの発火点は約410℃であり、木綿、新聞紙、松材等の天然材料や、アクリル・ナイロン等の合成衣料用繊維、ポリエチレン・ポリ塩化ビニル、ポリスチレンフォーム等のプラスチック製品とほぼ同域を示します。 従って、これらと同様に、着火源無しで自然に発火するものではありません。 近年では技術が進み、燃えにくくした製品も開発されておりますが、近くに着火源もしくは発火源があると全く燃え出さない訳ではありません。 軟質ウレタンフォームは着火した時、初期消火に失敗すると、わら・綿、紙・糸類、木材、他のゴム・プラスチック及びフォーム等と同様に燃焼が拡大する危険性があるので、共に消防法で「指定可燃物」に指定されています。火気を近づけない事と、所定量以上の大量保管時には「指定可燃物」の規定に従って下さい。 |
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軟質ウレタンフォームに火がついた場合、どのように処置したらよいですか? | ||
消火には水が最も効果的なので、軟質ウレタンフォームの火災には直ちに多量の水をかけて下さい。 もちろん初期消火の時点では粉末消火器などを使用することも効果的です。ただし、この場合、内部に火種が残っていることもありますので、更に多量の水をかけておいて下さい。 また、軟質ウレタンフォームを大量に扱っている場合、火がついた際には直ちに消防署へ連絡して下さい。 |
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コタツ敷用として軟質ウレタンフォームの製品を使用しても、火災の危険性はないですか? | ||
軟質ウレタンフォームの常用温度は一般には70℃です。従ってコタツ敷用として使用する場合、正常な使い方をしていただければこの温度以下であり、火災の危険性はありません。ただし、ヒーター上に直接かぶせたり、接触する事は避けて下さい。これらは繊維製品と同様です。 | ||
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温水や蒸気の配管を軟質ウレタンフォームで巻いたり、覆ったりする場合、火災の危険性はありませんか? | ||
温水の温度は普通100℃を超えることはなく、その温度は軟質ウレタンフォームの発火温度(約410℃)よりもはるかに低い温度ですから、自然に燃え出す危険性はありません。 しかし、このような状況下で軟質ウレタンフォームを長期間使用している場合は劣化の恐れがありますので、蒸気配管のカバーとしては使用しないで下さい。温度が50℃〜60℃以下の温水配管のパイプカバーとして使用されることを推奨いたします。 |
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軟質ウレタンフォームにたまる静電気の火花によりウレタンフォームが発火することはないでしょうか? | ||
軟質ウレタンフォームは電気伝導性が低く、摩擦により容易に静電気がたまりますが、静電気のエネルギーは非常に小さいのでフォームを発火させる可能性は極めて少ないものです。 しかし、軟質ウレタンフォームを揮発性の引火点の低い溶剤を含む接着剤で貼り付けする場合等では、溶剤蒸気に静電気の火花が引火し、これがウレタンフォームに燃え移ることがありますので、注意が必要です。 引火防止の為には、接着剤には水系のものや難燃性溶剤系を使用し、又、シンナ、ガソリン、ベンジン、アルコール等の低引火点溶剤が液体又は蒸気でフォームに沁み込ませたり、近接させる事は避ける(作業所内の可燃性溶剤の蒸気濃度を下げる)、加湿等による静電気発生抑制や除電をする等の対策が必要です。 |
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他に軟質ウレタンフォームを取り扱う上で、特に注意を要する事は何ですか? | ||
燃えやすい油類等が沁み込んだ軟質ウレタンフォームは稀に低い温度でも発煙、発火に至る危険性があるので水等をかけ、温めない様に注意して下さい。これは軟質ウレタンフォームに限った現象でなく布類、綿類でも起き、空気と接触しやすい環境では沁み込んだ油類が自動酸化し内部温度が上昇して先ず油類が発煙、発火する為と言われています。食用油でごみが焦げる事故と同じ現象です。 |
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建築資材の切断・溶接の際に発生する火花が軟質ウレタンフォームに引火する事例もありますので、工事の際には近くにフォームが無い事を充分に確認して下さい。 | ||
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