火災における現象

住宅の収納可燃物の量とその燃焼性状について教えて下さい。

一般の木造建物で燃えるものは、家の中に持ち込んでいる家具、寝具とかクロスなど内装などの収納可燃物と柱・梁などの構造体であります。一般的な木造住宅では、収納可燃物は木材に換算すると1平米当たり30~50kg位で、構造体は80kg位と言われています。住宅内には、数多くの可燃物があります。消防白書によれば、住宅火災の着火物は、圧倒的に「ふとん類」が多く、第2位の「衣類」の約2倍となっています。身の回りの可燃物に延焼拡大していることがうかがえます。居室での出火の際の着火物は、もともと内装材というより室内の収納可燃物が大半をしめています。室内に多くの家具があって壁部分を覆っていれ ば、たとえ内装が不燃でも可燃内装と同じことになってしまいます。

建築基準法の火災安全検証法は、標準的な燃焼拡大性状を前提につくられています。しかし、日常生活用品などの収納可燃物にも様々なものがあり、それぞれの可燃物の燃焼性状も異なります。内装材や家具調度品などの可燃物を不燃・難燃化することで、火災燃焼時間を遅らせることができます。また、燃焼時間が遅れることで、ガスの発生量や発生時間も遅れ、消火や避難がある程度可能になるともいえます。図4に代表的な収納可燃物の発熱量を示します。

一般に住宅が避難安全検証の対象になることは少ないですが、建築基準法施行令第108条の3第2項第―号に当該室内の収納可燃物の発熱量を定めています。住宅の居室の積載可燃物の発熱量を720MJ/m2と定めており、百貨店の売場の発熱量960MJ/m2についで高い数値となっています。又この発熱量は避難安全検証をする際の算出基本数値となります。

表4 代表的な収納可燃物の発熱速度・総発熱量の測定結果

図4 住宅火災の着火物別死者数(放火自殺者等を除く)平成19年中

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