硬質ウレタンフォームの特徴
硬質ウレタンフォームの現場施工
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硬質ウレタンフォームの安全性
硬質ウレタンフォームの環境問題
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硬質ウレタンフォームの安全性 −発泡時の注意、火災の危険性、消火方法など−
     
  硬質ウレタンフォームに触れたり、誤って口に入れても害はありませんか?
 

軟質ウレタンフォームが台所クリーナーや浴用スポンジ等に問題なく使用されているように、同じような原料で作られる硬質ウレタンフォームも電気冷蔵庫、レジャー用ポット等に広く使用されており、触っての害も、又、誤って口に少量入れた場合も心配するほどの毒性は考えられませんが、吐き出して水で口中を洗ってください。万一飲み込んだ場合には、医師の診断を受けるようにして下さい。

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  硬質ウレタンフォーム製造時に発生するガスは、どのようなものですか?
  硬質ウレタンフォームの製造時には発泡ガス及び極微量のポリイソシアネート、アミン等が発生しますので、のどの粘膜、目などを刺激することがあります。従って製造時には保護具を着用して充分な換気をして下さい。
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  通風不充分な環境で、硬質ウレタンフォームを製造する場合の安全対策はどうすればよいですか?
  製造時に発生するガスは、空気より重く低いところに溜まりやすいために、作業開始前にマンホール等の開□部はすべて開放し、強制送風を行うと同時にエアラインマスクを使用して下さい。
換気の悪い室内では発生したガスが充満し酸素欠乏症を起こすことがありますので、酸素濃度の測定を行いながら作業をし(酸素濃度は20%以上で作業して下さい)、酸素欠乏症等防止規則に従い作業員の声が届く位置に監視人を置いて作業をする必要があります。
また、溶剤を使用する場合はふた付き容器に入れ、必要最少量を室内に持ち込むようにし、有機溶剤中毒予防規則に従って作業をしなければなりません。
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  硬質ウレタンフォーム製造時、どの保護具が必要ですか?
  保護具にはガス、蒸気、粉じんの吸入を防ぐ呼吸用保護具(マスク類)と皮膚との接触を防止する保護衣類(安全帽、服、手袋、靴)及び保護メガネがあります。又この他に保護クリームも使用されます。
これらの保護具のうち防塵マスクと防毒マスクの一部には労働安全衛生法にもとづく検定が行われており、JIS規格も制定されていますので検定の対象となっているものについては検定合格証のあるものを、その他についてはJIS規格に合格した保護具を使用して下さい。
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  原液が目に入ったり、皮膚についたり、あるいはガスを吸入した場合の応急処置はどうすればよいですか?
  目に入った場合
激しく痛みがおこり、視力障害をおこすことがあります。たとえ少量でも目に入った場合には、ただちに洗眼器で少なくとも10分間以上洗って下さい。もし洗眼器がない場合はホースからゆっくり水を流すか、清潔な容器から水を注いで洗って下さい。洗眼の際には、「まぶた」を確実に開く事が大切です。洗眼後は必ず医師の診察を受けて下さい。
皮膚についた場合
ポリイソシアネート成分を皮膚につけたままにしておくと、赤く腫れて水疱ができることがあります。従って、皮膚についた時には、直ちに大量の水と石鹸で完全に洗い落として下さい。ポリイソシアネート成分が多量に付着した場合は、シャワーを浴び、かつ石鹸で十分に洗い流し、さらに流水で水洗いして下さい。その後アルコール水でさらに患部を洗い、医師の診察を受けて下さい。ポリオール成分の場合も同様に処置して下さい。
ガスを吸入した場合
鼻または上気道をポリイソシアネート成分蒸気に繰り返しさらすと、慢性の炎症をおこします。敏感な人は、気管支のけいれんから呼吸困難になることもあります。ガスを吸入した場合、吸入した人を直ちに汚染されていない新鮮な空気の場所に移して下さい。吸入の程度が軽い場合、汚染されていない場所に移動させるだけでも良いですが、酸素吸入を行うと良いでしょう。この場合頭を低くし、横または仰向けに寝かせ、体の保温につとめて下さい。多量に吸入して作業員が倒れたら、直ちに汚染されていない新鮮な空気の場所に運んで人工呼吸を行い、医師を呼んで下さい。
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  原液に水が入ったらどうすればよいですか?
  水が入った原液からは、正常なフォームが得られないので使用しないで下さい。万一水が入った場合には、次の様な処置をして下さい

<ポリイソシアネート成分>
ポリイソシアネートは、水と反応して炭酸ガスを発生します。従って水が入った状態で容器を密閉すると、発生するガスの圧力によって容器が破裂する危険があります。万一、水が入った場合には、栓をしないでガスを充分に放出させるか、口の広い容器(例えば、天切り缶)に移してガスが発生しなくなってから廃棄物として処理して下さい。

<ポリオール成分>
ポリオール成分には水が入っても特に危険はありませんが、正常な性能のフォームが出来ませんので、廃棄物として処理して下さい。
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  ポリオール成分に誤ってポリイソシアネート成分を投入した場合に、どう処置したらよいですか?
  ポリオール成分に誤ってポリイソシアネート成分を投入しますと、発熱を伴いながら激しく反応します。異常反応により発火する恐れがありますので容器の口をあけ、内部のガスを放出します。そしてすみやかに容器を大量の水で冷却して下さい。原料タンクの場合は、直ちに原料を開放容器に抜き取り、反応が終了するまで冷却しながら放置します。その後タンク・配管内の固化物を取り除いて下さい。
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  硬質ウレタンフォームは、危険物に該当しますか?
  硬質ウレタンフォームは、消防法上の危険物には該当しませんが、火災予防条例で「指定可燃物」に指定されています。従って指定数量(20m3)以上を貯蔵し、取扱う場合は、都道府県・市町村の条例に定める貯蔵又は取扱いの基準に従う必要があります。又、指定数量以下であっても、貯蔵する場所や周辺は、同条例に準じて管理する必要があります。
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  硬質ウレタンフォームの発火点は何度ですか?
  硬質ウレタンフォームの発火点は約410℃です。 
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  施工現場での火気の取り扱いはどのような注意が必要ですか?
  ウレタンフォームは指定可燃物に該当し、ウレタン原液は危険物第4類に該当するものもあります。従って施工現場では以下の注意事項を必ず実行して下さい。

<施工前>
施工対象物の溶接・溶断は、ウレタンフォーム施工前に完了させて下さい。
ウレタンフォーム保管場所・発泡機周辺・原液保管場所は、整理整頓し、「火気厳禁」の表示をして下さい。

<施工中>
ウレタンフォーム施工期間中、発泡機操作場所及び吹付け発泡箇所はもとより、原液保管場所、削り屑置き場、スクラップ置き場も火気厳禁です。
「火気厳禁」の表示をして下さい。
1日の作業終了時は火気の点検を実施し、残材は、毎日指定場所に片付けるか、持ち帰って処理して下さい。

<施工後>
ウレタンフォーム施工箇所は、施工済を明示した「火気厳禁」の表示をして下さい。
やむを得ず溶接・溶断等火気を使用する場合は、火花の飛散等を防止するため、火花が当たる部分から少なくとも半径1m以内のフォームをあらかじめ取り除いた上、不燃材料・防炎シート等で延焼防止措置をとり、かつ消火器等を準備して監視者立会のもとに注意深く作業を行うことを施主又は管理者、工事元請に対し徹底させて下さい。
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  原液に火がついた場合どうすれば良いですか?
  原液は火災時に有毒なガスが発生する場合がありますので、消火にあたっては必ず自給式呼吸用具を着用して下さい。消火器・消火剤としては、粉末(ABC)消火器・二酸化炭素・泡消火剤が初期消火として適当ですが、火炎が拡がった時は多量の噴霧水による消火が有効です。
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  フォームに火がついた場合どうすればよいですか?
  消火器、水及び防炎シート等を用いて一気に鎮圧する事が大切です。この場合、発生する煙によって火点を見失わないように注意する必要があります。火が消えた後でも内部に火種が残っていることがありますので、直ちにフォームの溶融炭化状の部分を除去することが必要です。
また、場合によっては短時間に急激な燃焼の起こることがまれにありますので、安全確保には十分注意して下さい。
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日本ウレタン工業協会