最近、環境に対する国や社会の要求は非常に厳しくなり、企業も地球環境を考慮した活動をすることが必要であり、『持続可能な発展』を目指した開発が行われるようになっています。
地球温暖化防止に対しても、京都議定書の批准が目前にせまり、CO2排出量の削減が重要なテーマとなっています。また、オゾン層破壊についても重要な事項となっており、現在発泡剤に使用されているHCFCはオゾン層破壊物質として使用が制限されつつあります。
これに代わりオゾン層を破壊することのないHFC(ハイドロフルオロカーボン)が次世代発泡剤として検討されています。HFCは温室効果ガスのため、大気中に放出された場合は地球温暖化防止に対し好ましくない影響が考えられます。しかしながら、HFCを発泡剤として使用した硬質ウレタンフォームは断熱効果が非常に大きくエネルギー消費を大幅に削減することができ、結果的に地球温暖化を抑制し、CO2削減に貢献することができます。
日本ウレタン工業協会(ウレタンフォーム工業会とウレタン原料工業会の共同組織)では、今後硬質ウレタンフォームの発泡剤としてHFCの使用に際し、LCA(ライフサイクルアセスメント)評価を行い、HFC発泡硬質ウレタンフォームに対する正しい認識を持つことが重要と考えております。
1.HFCとはどういうものなのか
次世代発泡剤として検討されているHFCは次のような優れた物理的、化学的性質を持っています。
・オゾン層を破壊しない
・断熱性に優れている(ガス熱伝導率が低い)
・毒性が低く安全性が高い
2.HFCが使用される分野
地球温暖化防止のためC02削減に寄与する分野としては、住宅・建築物への断熱材としての適用があります。特に硬質ウレタンフォームの現場発泡はその施工性の便利さ、成形の自由度等でガラスウールやボード等、他の断熱材では施工が難しい部分での使用に際し最適です。
HFCは優れた断熱性や安全性をもち、オゾン層破壊係数がゼロであり、この様な分野で使用される次世代発泡剤として注目されています。これらに用いられる次世代発泡剤としてはシクロペンタンのような地球温暖化効果の少ない物質の使用も考えられますが、その高い燃焼性のため、特定設備を有する工場での使用に限定され、不特定の建築現場等で取り扱うことは困難です。また発泡剤としての水の使用は、取扱い上の問題はありませんが高い断熱性が得られません。
3.HFCの使用はほんとうに地球温暖化防止に貢献するのか
地球温暖化防止のためにはCO2の排出量の削減が不可欠です。このためには化石燃料をベースにした石油、ガス、電気等のエネルギー消費を抑制することが重要です。平成14年3月19日に発表された「地球温暖化対策推進大網」においても二酸化炭素排出削減対策でエネルギー管理の徹底、住宅・建築物の省エネルギー性能の向上をあげており、省エネルギー性能の優れた住宅・建築物の普及促進、省エネルギー性能に関する基準の強化等がうたわれています。この対策としてHFCを発泡剤とした高性能断熱材“硬質ウレタンフォーム”による住宅の断熱対策は最適なものと考えられます。
4.今後フロンの取り組みはどう対応するのか
HFCは地球温暖化防止のため、今後削減が必要な物質ではありますが、現在使用しているHCFCフロン全廃のためには必要な発泡剤です。これを発泡剤として使用した住宅の断熱施工は、エネルギー削減効果があり、CO2の排出量が抑えられ、最終的には地球温暖化防止に役立つ事が見込まれます。このようにHFCは高い断熱性を持った硬質ウレタンフォームを製造するためになくてはならない発泡剤として位置づけられます。
ウレタンフォーム工業会、ウレタン原料工業会会員各社はこの様な理由から断熱性を必要とする硬質ウレタンフォーム分野に対しては次世代発泡剤としてHFCの使用を支持して行く方針です。

