軟質ポリウレタンフォーム

Flexible polyurethane foam

よくある質問

Q & A

軟質ポリウレタンフォームの耐久性について(変色性、耐薬品性、耐熱性、ヘタリなど)

  • 軟質ポリウレタンフォームは、太陽光線で変色しても性能は変わりませんか?

    軟質ポリウレタンフォームの表面が変色していると判断できるまでの時間は、夏の直射日光下で数時間、直射日光の入らない倉庫等では数週間から数ヶ月、また暗い所で梱包された状態では1年以上というように、太陽光線の影響によって著しく違ってきます。なお蛍光灯によっても変色は起こります。この太陽光線による変色は、ポリウレタンフォーム中の高分子鎖の一部が、発色しやすい高分子鎖に変化するためと考えられます。従って、高分子鎖の切断とは異なるので、変色が直ちに物性上の劣化にはつながらないと考えられます。

  • 軟質ポリウレタンフォームは、一般に家庭で使用されているどのような薬品に侵されますか?

    表−6 軟質ポリウレタンフォームの耐薬品性

    ベンジン・ガソリン・
    灯油
    付着すると少し膨潤しますが、乾燥すれば元の状態に戻ります。
    膨潤している状態では機械的強度が低下しますので、その状態での使用は避けて下さい。
    石鹸水・洗剤 普通の使い方では問題ありませんが、長期間浸漬しておくと徐々に劣化を起こします。中でもトイレ用・タイル用洗剤には、強酸性・強アルカリ性のものがありますので、使用後は充分に水洗いして下さい(特に塩素系漂白剤は使用しないで下さい)。

    また、一部の漂白剤にも侵されることがあるので御注意下さい。

  • 軟質ポリウレタンフォームを使った寝具を洗濯できるでしょうか?

    通常軟質ポリウレタンフォームを使った寝具には布カバー(側地)がついています。側地にはファスナーがついていますが、このファスナーは中身の軟質ポリウレタンフォームを入れるために装着されているものであり、中身を取り外すものではありません。側地のみを取り外して洗濯した場合に、布地が縮んだり変色したりすることがあります。使用上の注意にはそのことが記載されておりますので、よくお読み下さい。商品説明書や使用上の注意等をお読みいただき、側地洗濯ができると記載されているものに限り、側地のみを取り外して洗濯してください。
    中身の軟質ポリウレタンフォームについては、最近では洗える仕様のものも開発されていますので、軟質ポリウレタンフォームを洗いたいというご要望のある場合には、そのような仕様の製品を選択してください。

  • 寝具類では長い間使用していますと端の方からボロボロになることがありますが、この間に人体に害のあるガスが発生することがありませんか?

    とくに直射日光が当たるような場所に置いたり、カバー材を使わずに裸の軟質ポリウレタンフォームを使用する場合、長い間には表面からボロボロしてくることがあります。この過程で有害ガスの発生はありません。

  • 軟質ポリウレタンフォームの耐熱性、耐寒性はどの程度でしょうか?

    軟質ポリウレタンフォームの耐熱性、耐寒性は優れており、−20℃〜80℃の範囲で使用可能です。しかし、軟質ポリウレタンフォームの種類によって異なりますが、一般的には80℃で連続使用した際に強度が半減する期間は約500日〜700日です。従って、通常使用においては耐熱性、耐寒性についての問題はありません。

  • 軟質ポリウレタンフォームは、長期間使っていると「ヘタリ」を生じますか?

    軟質ポリウレタンフォームに荷重をかけた時、厚みや硬さが減じる現象を「ヘタリ」といい、この大小は一般にはJIS K 6400-4の圧縮残留ひずみ・繰返し圧縮残留ひずみと言う試験方法で測定します。ヘタリが小さいことは「圧縮残留ひずみ」が小さく、復元しやすいことを意味しています。繊維綿や金属ばねに比し 軟質ポリウレタンフォームは低密度の(重さが軽い)割にはヘタリが小さいことが特長ですが、実際に使用する条件は非常に異なりますので、「何年使うと何%の厚みの減少がある」とは一概には言えません。しかし、一般には重い荷重が長期にかかるほど、また荷重に対してフォーム密度が低いほど、ヘタリが大きくなります。長期にわたり大きな圧縮荷重がかかる場合には相応のヘタリの少ない良質の軟質ポリウレタンフォームを、品質管理の行き届いたウレタンフォーム工業会会員会社からお求め下さい。また、JIS K 6401(耐荷重用軟質ポリウレタンフォームの製品規格)ではヘタリにくさをクラス分け(X・V・S・A・L)で分類できるようにしています。このクラス分けは軟質ポリウレタンフォームのヘタリ性を区別できる尺度となりますのでご活用下さい。