軟質ポリウレタンフォーム

Flexible polyurethane foam

よくある質問

Q & A

軟質ポリウレタンフォームの衛生・安全性について(臭気、毒性など)

  • 軟質ポリウレタンフォーム製品から、イソシアネート化合物が大気中に拡散することがありますか?

    ポリウレタン樹脂は、イソシアネート化合物とポリオール化合物との化学反応により得られる高分子化合物(ポリマー)の総称です。
    このイソシアネート化合物とポリオール化合物の化学反応は、ヒトが生活する生活環境下では分解してイソシアネート化合物とポリオール化合物の戻ることはありません。
    例外として、ポリウレタン製の繊維を含んだ衣服をアイロンで皺伸ばしするなど、200℃を越えるような高温で長時間晒されると稀に分解して極微量のイソシアネート化合物が発生するとの報告があります。
    そのためポリウレタン製の繊維を含んだ衣服をアイロンで皺伸ばしする際は、衣類タグ表示のとおり、アイロンの温度設定は低温(80~120℃)に設定するようご注意ください。気になるようであれば、窓を開放したり、換気扇を作動して行うようご注意ください。

  • 軟質ポリウレタンフォームは、臭気がすることがありますが、その臭いは何によるのですか?

    軟質ポリウレタンフォームは、合成高分子(ポリウレタン樹脂)を炭酸ガス、あるいは低沸点化合物のガスによりフォーム化したものであり、樹脂自身は元来無臭のものです。しかし、ポリウレタンフォームは製造時に少量の触媒、整泡剤、必要に応じて顔料、難燃剤などが添加され、これらの一部が臭いの原因となることもあります。

  • 軟質ポリウレタンフォームに臭いが残っている場合、人体に影響はありませんか?

    軟質ポリウレタンフォームの臭いの主成分は触媒として使用されている第3級アミン類です。これはポリウレタンフォーム製造時0.05~0.5%の濃度で添加され、製造時の熱により大半は揮発しますが一部フォーム中に残存し、これが軟質ポリウレタンフォームを開梱した時に臭いとして残っていることがあります。しかし、その濃度は非常に低いので、人体への影響はほとんどないと言えましょう。ただしその臭いに違和感を感じ、気分が悪くなると判断された場合は、日陰で充分風に曝してから御使用下さい。

  • 軟質ポリウレタンフォームを使用した製品は臭いがしますか?

    臭いの感じ方には個人差もありますが、軟質ポリウレタンフォームを使用した製品、例えばマットレス・枕等の場合、前述した軟質ポリウレタンフォームの臭いのみではなく、カバー材、接着剤、包装材等の他材料が組み合わさっており、これらの臭いが気になるケースが稀にあるようです。
    軟質ポリウレタンフォームは連通した微細セル構造(気泡)であり、樹脂の表面積が極めて大きいために、接している他の材料や直接さらされている雰囲気等に異臭気があればこれらが容易に「吸着」され、使用場所に開放した時この臭いが「放散」される性質があります。従って、複合材料のほか、保管場所にも相応の低臭気条件を選択することが必要です。もし、臭いで違和感がある場合、風通しの良い日陰に2〜3日放置しますと、臭いはかなり低減します。それでも臭いが異常と感じられる場合は、ご面倒でもその製品の販売元又は製造元にご相談下さい。

  • 軟質ポリウレタンフォームを口に入れたり誤って飲み込んだ場合、どうすればよいですか?

    一般の生活用品として製造されているフォームであれば、少量の軟質ポリウレタンフォームを誤って口に入れ、又、飲み込んだとしても生理的な影響は考えられませんが、気道に詰まると呼吸困難になる恐れがありますので吐き出して下さい。万一飲み込んだ場合は、医師の診察を受けるようにして下さい。特殊用途向けに、特別処理された軟質ポリウレタンフォームにつきましては製造元の指示に基づいて下さい。

  • 軟質ポリウレタンフォームを食品用梱包材や、おもちゃに使っていますが安全ですか?

    食品梱包用の軟質ポリウレタンフォームには、食品衛生法に基づき制定された、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の第3器具及び容器包装に適合したものが使用されています。なお、ウレタンフォーム工業会では食品包装材用軟質ポリウレタンフォームに関する自主規制基準を平成19年に制定しております。また、おもちゃ用には食品衛生法に基づき制定された、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の第4おもちゃに適合したものが使用されています。

  • 「ウレタン」と呼ばれる化学薬品がありますが、「ポリウレタンフォーム」と関係がありますか?

    通称「ウレタン」と呼ばれる化学薬品があり、「ポリウレタンフォーム」と名称が似ていることから混同され誤解されることがありますが、高分子量の「ポリウレタンフォーム」とは全く別の化学薬品であり、もちろん、この化学薬品は「ポリウレタンフォーム」には含まれておりません。
    化学薬品の「ウレタン」は、化学名では「カルバミン酸エチル」(CAS番号51-79-6)と呼ばれる無色の結晶で、生化学用、有機合成原料、溶解させて極性有機溶剤として使用されています。労働安全衛生法では、「名称等を通知すべき有害物」になっております。